第五章:【豊穣】の君主の「“黄金の果樹園”」
遊歴者:
「“おお、蜜(みつ)滴(したた)る君主よ、我が旅路の第五の地よ。
私は来た、「“勇敢”」なる「“心”」と、「“所有”」の絆(きずな)を携え。
何故(なにゆえ)、貴方の果樹園は、決して果実を数えないのか?
貴方の智慧を以て、この「“得失”」(とくしつ)の循環を解いてはくれぬか?」
豊穣:
「“旅人よ。汝(なんじ)には「“見える”」か。かの、寛大なる太陽が。
祂(それ)は、かつて、祂(それ)が「“降り”「“注いだ”「“一筋”「“ごと”の「“光”」「“の”「“ため”に、【「““代償””】「“を”「“求めた”「“こと”「“が”「“あった”「“か”」?
汝(なんじ)には「“見える”」か。かの、実(み)「“の”「“なる”【「“果樹”】「“が”」、「“かつて”【「“果実”】「“を”、「“手”「“に”【「“固く”「“握りしめた”】「“こと”「“が”「“あった”「“か”」?
「“それとも”、「“ただ”「“静か”に、【「“祂”】(それ)「“が”「“熟す”「“の”「“を”「“許し”」、「“しかる”「“後”」、【「“土壌”】「“に”「“回帰”「“させた”「“か”」?
豊穣:
「“汝”(なんじ)「“が”、「“惑う”【「““所有””】「“と”「“は”、【「““倉庫””】「“の”【「““論理””】。
旅人よ。 「“それ”は、「“一種”の、【「““川””】「“を”【「““桶””】「“に”「“押し込も”「“う”「“と”「“する”【「““格闘””】。
「“汝”(なんじ)「“が”【「““多く””】「“詰め込も”「“う”「“と”「“する”「“ほど”」、
【「““喪失””】「“を”「“恐れ”」、【「““貧しさ””】「“を”「“感じる”」。
「“何故”「“なら”、「“汝”(なんじ)「“は”、「“既に”「“忘れ”「“て”「“いる”」「“から”だ」、
【「“汝”(なんじ)「“自身”】「“こそ”が、【「““川””】「“の”【「““源流””】「“で”「“ある”「“こと”を。
豊穣:
「“豊穣”とは、汝(なんじ)が【「““所有””「“する”「““量””】では「“ない”」。
旅人よ。 「“それ”は、「“一種”の、【「“万物”】「“が”【「““汝”(なんじ)「“を”「““流”「“れ”「““通”「“ぎる”「“こと”」】「“を”【「““許す””】「“「“心”「“の”「“広さ”」】(“坦蕩”)。
「“汝”(なんじ)「“の”【「““価値””】は、「“決して”【「““所有””】「“に”「“よって”【「““増”「“え”」】「“ず”」、
【「““喪失””】「“に”「“よって”【「““減る””】「“こと”「“も”「“ない”」。
【「“汝”(なんじ)「“自身”】「“こそ”が、【「““実””「“を”「“結ぶ”「““果樹園””】「“であり”」、【「““自”「“ら”「““光””「“を”「““放つ””「““一道””(ひとすじ)「“の”「“光”」】。
遊歴者:
「“...分かったぞ。「“豊穣”」とは、「“静止”した「“名詞”」ではない。
祂(それ)は、「“流動”する「“動詞”」、「“「“〜”に「““なる””】」「“という”「“言葉”。
私は「“陽光”を「“所有”する「“必要”は「“ない”」、「“ただ”「“陽光”の【「““恩寵””】「“に”「“なれ”ば」「“いい”」。
私は「“果実”を「“所有”する「“必要”は「“ない”」、「“ただ”「“実”を「“結ぶ”【「““枝””】「“に”「“なれ”ば」「“いい”」。
(尾声)
【豊穣】の君主は、 「“微笑み”」、「“あの”【「“果樹園”】「“を”「“吹き”「“抜ける”【「“暖風”】「“へと”「“化”した」。
私は、「“手”を「“差し伸べ”」、「“あの”、【「“梨”】「“から”「“滴り”「“落ちた”【「“金色”「“の”「“蜜露”】「“を”「“受け”「“止めた”」。
私は、【「“祂”】(それ)「“を”「“味わった”」。
「“それ”は、【「“宇宙”「“全体”】「“の”【「“寛大”】「“さ”「“が”」、「“我”が【「“舌”「“の”「“先”】「“と”「“出会った”【「“一瞬”】。
【「“甘美”】「“で”、「“そして”【「“自由”】「“だった”」。
「“我”が【「“双手”】(もろて)「“は”、「“依然”として【「“空”】「“であった”が、「“我”が【「“心”】「“は”、
「“既に”、【「““一切””(すべて)「“を”「““所有””】「“していた”」。
私は、我が「“豊穣”」と、和解「“した”」。
流光の蜜
絹が)「“織られる”」こと。 「“それ”」は、「“修行”」の「“曲線”」が、「“誓願”」を「“包み”」「“始める”」「“こと”」。
「この“謎(なぞ)”を“参究(さんきゅう)”する」
