【船出】 (Funade)

古き船が、 昨日(きのう)に焚(た)き尽くされし時、 新しき葉芽(はめ)は、 灰の中より「書」を展(ひら)く。

過ぎし日の喧騒が、皆、 静寂に帰(き)す時、 我らは抱(いだ)く、月が昇るが如き、 一瞬にして永遠の「清朗」を。

我らが送りし「信物」(しんぶつ)は、 その清朗の「残響」に応える。

聴け、が、詠唱している。 見よ、が、過去に打ち勝った。