蝶夢 · 魂夢蝶

あなた、の、「意識」の「版図」の外に、 「時間」にも「論理」にも、支配されぬ「国度」が、ある。 そ、は、あなたの、「魂」の「故土」（コド）、「夢」の「源起」（ゲンキ）。 毎日、毎夜、無数の「密語」（ミツゴ）が、そこ、から、「潮汐」（チョウセキ）の、如く、湧き上がり、 あなたの「白昼」の「海岸」へと、届こうと、試みる。 だ、が、ほとんどの「密語」は、 黎明の「一筋」の「理性（リセイ）の光」の下（もと）、薄霧の、如く、「消散」する。 そ、ら、は、「忘れ去られ」、「誤解」され、「虚無」へと、帰せられる。 しか、し、常に、そ、の、一句、 最も「優しく」、そして、最も「強靭」（キョウジン）な「密語」が、去り、ようと、しない。 そ、は、あなたの、自身に対する、最も深い「期待」と「理解」を、内包している。 そ、は、「忘却」の嵐を、突き抜け、 自らを「凝結」させ、「物化」させ、 ついに、あなたの「人間」（ジンカン）へと、舞い降りる。 そ、が、この【魂夢蝶】。 その双翼は「夢」の「材質」、その「真珠」は「思念」の「結晶」。 そ、は、「装飾品」に、非（あら）ず、一枚の「信物」（シンブツ）— あなたの「魂の故土」より、幸いにも、生き存（ながら）えた「信物」。 そ、を、佩（お）びるは、即ち、 そ、の「忘れられたあなた」へと、「聴く用意がある」という「招待」を、発すること。