太古、貴女は燃えることを恐れる石炭だった。絶望的なほどに潔白な。しかし、貴女が人の心に触れた時、最初の美しき火傷を負ったのだ。
貴女は鎧の亀裂を見つめ、もう隠そうとはしない。その裂け目は傷ではなく、光が差し込む場所だと知ったから。これこそが、貴女の戦歌(アンセム)。
貴女は燃えながら、同時に凍てついている。半分は破滅的な烈火、半分は冷ややかに傍観するラリマー。矛盾こそが魅力の源泉であることを、貴女はついに認めた。
そして、貴女はもう抑圧しない。あの刺すような蛍光グリーンのように、優雅とは言えない泥を纏い、盲目的に、暴力的に、土を突き破るのだ。
世界が貴女を魚と呼ぶなら、水底に居なければならないのか?否。今この瞬間、貴女は怒り、そして飛ぶ。最後の海泡を振り落とし、天空を泳ぐ魚となるのだ。
貴女は陽の射さない深淵へと潜った。そこには観客もいなければ、拍手もない。だが無光の果てで、貴女は知る。自分自身こそが、光源であったのだと。
貴女はもう、過去を書き換えようとはしない。失われた春を折り畳み、書物のページに挟み込んだ。それは永遠に期限切れのない、残り香となった。
忘川(ぼうせん)の渡し場で、貴女は最後の一瞥をくれた。あの血のような愛憎が、涙で希釈され、優しい薄紅色に変わっていることに気づく。貴女はもう、劫難を渡りきったのだ。
失敗という黒曜石、悲しみという砂岩を、貴女は全て拾い集めた。それらを熔かし、再び形作る。貴女は宣言する。「余分な欠片など一つもない。これが、完全なる私だ」と。
今、貴女は最も忍耐強い庭師となった。万千の色彩を一圈また一圈と纏わせる。全ての過去が、この瞬間の開花を成し遂げた。これぞ、貴女が貴女自身に歌う、至高の賛歌である。