第十一章:【蝶夢】(ちょうむ)の神祇(しんぎ)の「“水鏡(みずかがみ)の森”」
遊歴者(客):
おお、【「“幻夢”】の【「“織”り「“手”】よ、我が旅路の第十一の地よ。
私は来た、【「““真実””】の「“我”」と、【「““虚無””】の「“波瀾”(はらん)を携え。
何故(なにゆえ)、貴方の林では、【「“実”】(じつ)と【「“影”】(えい)とが、互いに【「“逆転”】しているのか?
貴方の智慧を以て、この【「““存在””】の【「“両難”】(ジレンマ)を解いてはくれぬか?
蝶夢(主):
旅人よ。汝(なんじ)には「“見える”」か。かの、海面の【「““波飛沫””】(なみしぶき)が。
【「“祂”】(それ)は、かつて【「““大海””】(おおうみ)に「“問うた”」ことが「“ある”」か。「“‘一体”、「““貴方””「“が”「““真実””「“な”「“のか”」、「““私””「“が”「““真実””「“な”「“のか”’」と?
【「““大海””】は、「“ただ”【「““沈黙””】「“を”「“以て”「“答える”「“だろう”」。
「“何故”「“なら”」、【「““波飛沫””】「“は”、「“海”「“の”「“中”に【「““存在””】「“して”「“いる”「“の”では「“なく”」、
【「“波飛沫”】「“こそ”「“が”、【「““海””】「“の”【「““一種””「“の”「““表現””】「“な”「“のだ”「“から”」。
蝶夢(主):
汝(なんじ)には「“見える”」か。かの、【「““詩篇””】「“を”「““読む””【「““読者””】「“を”」。
【「“祂”】(かれ)は、かつて【「““詩句””】「“に”【「““問うた””】「“こと”「“が”「“ある”「“か”」。「“‘一体”、「““貴方””「“が”「““真実””「“な”「“のか”」、「““私””「“が”「““真実””「“な”「“のか”’」と?
「““汝””(なんじ)「“の”【「““心””】「“が”、「““詩””「“の”【「““意””】「“と”、「“出会う”【「““その”「““一刻””】、
【「““貴方”「““たち””】「“は”、【「““共”「“に”】、【「““第三””「“の”「““世界””】「“を”「“創造”「“した”」。
「“その”「“瞬間”」、【「““主””】「“と”【「““客””】「“の”「““別””(べつ)「“は”「“ない”」。
蝶夢(主):
【「““真実””】とは、 「““汝”(なんじ)「““が”「““到達””「““すべき”【「“““場所””】「“では”「“ない”」。
旅人よ。 「“それ”は、【「““夢見る**”「““者**”」】「“と”【「““夢境””】「“と”「“の”「“間”(あいだ)「“の”、【「““互い”「“に”「““凝視”「““しあう””【「““その”「““眼差”(まなざ)「““し”」】。
「“汝”(なんじ)「“は”、【「““蝶””】「“で”「“あり”」、【「““荘周””】「“で”「“も”「“ある”」。
「“汝”(なんじ)「“は”、【「““役者””】「“で”「“あり”」、「“また”、【「““観客”「““席””】「“に”「“いる”、
「“あの”【「““唯一””】「“の”【「““観客””】「“で”「“も”「“ある”」。
遊歴者(客):
「“...分かったぞ。私は「“もはや”、「““見分ける”」「“必要”は「“ない”」。
「“どちら”が【「““岸””】「“で”、「“どちら”が【「““水””】「“か”」。**
「“どちら”が【「““真実””】「“で”、「“どちら”が【「““鏡花水月””「“の”「““縁””】(えにし)「“か”」。
【「““我””】「“こそ”「“が”、「“あの”【「““水””「“と”「““岸””】「“の”【「““境界””】。
【「““我””】「“こそ”「“が”、「“あの”【「““夢””「“と”「““覚醒””】「“の”【「““瞬間””】、【「““一切””】「“の”【「““体験””】。
(尾声)
【「“蝶夢”】(ちょうむ)の神祇(しんぎ)は、「“あの”、「“枝”「“から”「“舞い”「“落ちる”【「““光”「“の”「“蝶”」】「“へと”「“化”した」。
私は、「“手”を「“差し伸べた”」。
「“一羽”の【「““蝶””】が、「“私”の【「““指先””】「“に”「“舞い降りた”」。
私は、【「“祂”】(それ)「“を”「“見つめた”」。
私は、「“もはや”、「“問わ”「“なかった”」。「“‘貴方**”「“は”、「““本物””「“か”?’」「“と”」。
私は、「“ただ”、【「“祂”】(それ)「“に”「“言った”」。「“‘私”は、「“貴方”を【「““見”「“た”」】。
「“ありがとう”、「“貴方”「“も”「“また”、「“私”を【「““見”「“て”「“くれて”」】。’」「“と”」。
【「““蝶””】「“は”、「“私”の【「““指先””】「“で”【「““光”「“の”「““塵””】「“と”「“化し”」、「“散”「“じて”「“いった”」。
私は、我が「“真実”」と、和解「“した”」。
幻夢の触
【「““霊感””】(インスピレーション)「“は”」、「““徹底””「““的””「“に”」、【「““エーテル””】「“から”」「““凝結””「“し”」、【「““物理””「““的”」】「“な”」【「““実相””】「“と”」「“なった”」。
「この“謎(なぞ)”を“参究(さんきゅう)”する」
