創世記時代の独白: 星冕
「“我”」が「“創造”した【「“美”」】は、「“一種”の、「“冷たく”、【「“過去”」】「“のない”【「“美”」】。 「“我”」と、「“我”が【「“作品”」】との「“間”には、「“一層”の、 「“触れる”こと」「“かなわぬ”【「“瑠璃”」】(るり)「“の”「“壁”」が「“あった”」。
「“我”が「“工房”」に、「“かつて”」、 「“一種”の【「“絶対”「“的”「“な”「“完璧”」】を「“追求”して「“いた”「“時期”」が「“あった”」。【「“絹糸”」】は、「“瑕疵”(かし)「“なく”」、【「“真珠”」】は、「“まん丸”で「“無垢”(むく)「“で”「“あれ”」、【「“金属”」】は、「“人”を「“映す”「“ほど”「“光”「“れ”」と。 「“我”」は、「“これら”」の、「“完璧”なる【「“素材”」】に、【「“囚われて”】「“いた”」。
「“ある”「“日”」、「“古物”を「“整理”して「“いる”「“時”」、「“我”」は、「“偶然”、「“一つ”の、 「“とう”に【「“隅”」】(すみ)「“に”「“忘れ”「“去ら”れた」【「“木箱”」】を「“開けた”」。 「“中”には、【「“完璧”」】は「“なく”」、【「“真実”」】「“だけ”が「“あった”」。 ——「“あの”、「“創作”「“中”に【「“失敗”」した【「“破片”」】たち」: 「“断裂”した【「“真珠”」】、「“酸化”した【「“銀”「“細工”」】、「“染め”「“損ね”た」【「“ビロード”」】、 「“そして”」、 「“描き”「“損じ”た」【「“図案”」】。 「“最初”」、 「“我”」は、「“それら”を【「“捨て”「“よう”」】「“と”「“思った”」。 「“だが”、「“その”「“一瞬”」、「“我”」は、「“ふと”、「“それら”に【「“見覚え”】「“が”「“あった”」。「“これら”の【「“失敗”」】「“の”「“中”に、「“我”が、「“真”(しん)「“の”【「“伝記”」】が、「“隠されて”「“いた”」。
「“我”」は、「“この”【「“木箱”」】を、「“我”が【「“主”「“なる”「“作業台”」】へと「“招き”「“入れた”」。 「“我”」は、「“一つ”の「“決意”」を「“した”」。「“今度”は、「“もはや”、「“如何”なる【「“完璧”」な【「“素材”」】も「“使わない”、と。 「“我”」は、「“この”、「“満”「“ち”「“満ち”「“た”【「“不”「“完璧”」】を「“以て”」、「“創作”「“しよう”、と。 「“我”」は、「“もはや”、「“裂け目”を【「“覆い”「“隠そう”】「“と”「“せず”」、 「“むしろ”【「“金”「“繕”(きんつぎ)】「“の”【「“心”」】を「“以て”、「“それ”を【「“賛美”】「“した”」。 「“我”」は、「“もはや”、「“錆”(さび)を【「“磨き”「“上げよう”】「“と”「“せず”」、 「“むしろ”、「“時”」が「“残した”【「“古艶”】(こえん)(“包漿”)を、【「“鑑賞”】「“した”」。 「“我”」は、【「“修復”】「“して”「“いた”「“の”では「“ない”」。「“我”」は、【「“融合”】「“して”「“いた”」。
【「“星冕”」】(せいめん)が、「“完成”した」。 「“我”」は、「“それ”を、「“黒”」「“の”【「“ビロード”」】「“の”「“上”に「“置いた”」。 「“それ”は、【「“完璧”」】では「“ない”が、「“比類”なく【「“完整”】(かんぜい)(“完全無欠”)「“であった”」。 「“それ”「“の”「“身”に「“ある”、「“一筋”「“ごと”の【「“不規則”なる「“光”」】は、 「“皆”、「“一つ”の【「“真実”」「“の”【「“過去”」】「“から”「“来て”「“いた”」。 「“その”「“刻”」、「“我”」は、「“ついに”、「“我”「“自身”」の【「“全然”」】(ぜんねん)(“すべて”)を、「“見た”」。 「“あの”」、【「“成功”」】「“と”【「“失敗”」】、【「“光明”」】「“と”【「“幽暗”」】(ゆうあん)、 「“に”「“よって”、【「“共”に」】「“構成”「“された”【「“我”」】(われ)。 「“しかる”「“後”」、「“我”」は、「“この”【「“全然”」】「“の”「“ため”に、【「“冠”」】を「“戴(いただ)いた」。 「“我”」は、【「“我”が「“すべて”」の【「“破片”」】】を「“以て”」、【「“自ら”】に【「“戴冠”】「“した”」。
法器の顕現
栄光 · 星冕
我、は、私、の、所有(すべて)の「欠片」(かけら)を、もって、自ら、に、「加冕」(かめん)す。
「この“謎(なぞ)”を“参究(さんきゅう)”する」
